1. LifeEdgeの結論:見た目で選ぶと失敗するか?
【結論】デザインは成功、Super Micは革新的だが未完成。仕事用なら前モデルかAirPods Pro 2が正解。
25,800円という価格で、Nothingが誇る透明デザイン+アルミニウムの高級感、そして業界初の「充電ケース内蔵マイク(Super Mic)」を搭載。見た目は確かに他の追随を許さないオシャレさですが、Web会議のマイク品質は「革新的だがギャンブル性が高い」というのが正直なところ。
静かなオフィスで、イヤホンのフィット感が完璧なら「十分使える」レベル。しかしフィットが甘いとgarbled(判読不能)になるという報告があります。そして目玉機能のSuper Micは、ケースを口元に持って話すという使い方のため、Web会議で使うには微妙です。
前モデル「Nothing Ear」(実売18,800円)の方が3,000円安く、音質のバランスも良いという評価が多く、デザインで+3,000円払う価値があるか?が判断の分かれ目です。
2. 【海外テック界隈の視点】Super Micの「革新」と「限界」
「ケースに話しかける」体験の衝撃と違和感
Nothing Ear (3)の最大の売りは、充電ケースに2基のMEMSマイクを内蔵した「Super Mic」です。
仕組み:
- ケースの「TALK」ボタンを押す
- ケースを口元に持っていく(トランシーバー方式)
- ケースのマイク→イヤホン→スマホとBluetooth経由で伝送
- 95dBまでのノイズをカット(建設現場レベル)
PhoneArenaのレビュアーは、オフィスのエスプレッソマシンの横でテストし、以下のように報告しています:
「Super Micの録音は、ベーシーで、明瞭で、クリアで、まるで周りに雑音がないかのようだった。イヤホンの録音は平坦で、くぐもり、ノイズリダクションのせいで聞き取りにくかった」
GSMArenaも同様に高評価:
「通話中、相手は私の声が電話の内蔵マイクと同じくらい良いと報告した」
つまり、技術的には大成功です。しかし、問題は「使い勝手」にあります。
Super Micの「致命的な3つの制約」
制約1:イヤホンを装着していないと使えない
Super Micを使うには、イヤホンが耳に入っている必要があります。ケース単体では動作しません。つまり、「ケースをマイクとして使う」のに「イヤホンも装着」という矛盾した状況になります。
9to5Googleのレビュアーが痛烈に指摘:
「もしより大きなマイクを使うなら、なぜ電話を使わないのか?これはギミックなのか?デバイスからデバイスへホッピングして音が悪くならないのか?」
制約2:アプリ互換性が限定的
標準のカメラアプリ(iPhone、Samsung Galaxy、Pixel、Nothing Phone)ではSuper Micが使えません。外部マイクを選択できるBlackmagicなどのサードパーティアプリが必要です。
9to5Googleのレビューでは、Google Meetでテストした結果:
「音質の違いは無視できる程度。相手は私の声が大きくなったと言ったが、品質の明確な違いはなかった。むしろ、音楽を大音量で流したとき、イヤホンは完璧にフィルタリングしたが、Super Micは音楽を拾ってしまった」
制約3:Bluetoothの二重接続による遅延
Super Micはケース→イヤホン→スマホという二段階のBluetooth伝送です。TechBuzzの記事が指摘する通り、動画撮影時に音声遅延が発生し、リップシンクがズレる問題があります。
イヤホン側のマイク品質:「フィット依存性」が異常に高い
Super Mic以外に、イヤホン本体にも各3基、計6基のマイクを搭載しています。さらに骨伝導センサー(VPU)で顎や耳道の振動を検知し、AI機械学習ベースのノイズリダクション(2000万時間学習)を適用しています。
しかし、Digital Reviews Networkのレビュアー(15歳の息子Master L)は以下のように報告:
「フィットの仕方が、マイクの拾いの品質の鍵。残念ながら、受け入れられる結果を得るのに多くの調整が必要だった。最初は、私が完全にgarbled(判読不能)またはinaudible(聞こえない)と言われることが多かった。しかし、フィットと位置を正しく調整すると、マイク品質は優れていた」
つまり、イヤーチップのサイズ選択と装着角度が完璧でないと、通話品質が崩壊するリスクがあります。
3. スペック表に載らない「手触り」と「本音」
メリット:カタログスペック以上の「デザインの魔力」
◆ アルミニウム×透明デザインの高級感
充電ケースのベース部分は100%リサイクルアルミニウムを使用し、ナノ射出成形で接着剤を使わずにプラスチックと一体化。GetNaviのレビューで「値段以上に高級さを感じる」と評価されています。AirPods Pro 2の白一色やSony WF-1000XM5の地味なデザインに飽きた人には魅力的です。
◆ 音質は前モデルから確実に進化
12mmダイナミックドライバーを搭載し、歪み率を0.6%→0.2%に改善。Gizmodoのレビュアーは以下のように評価:
「音の歪みがぐっと減り、Ear (3)の方が空間的な音がする。ボーカルやギターがそれぞれの位置から音を出している印象。特にボーカルが非常に自然でクリア」
低音も改善されており、Daft Punkの『Da Funk』でやりすぎることなく低音の再現がうまいと評価されています。
◆ LDAC対応でハイレゾ音源を楽しめる
AndroidユーザーならLDAC(最大990kbps)で高音質ストリーミングが可能。iPhoneユーザーはAAC止まりですが、それでも十分です。
◆ バッテリーは前モデルより90分長い
10時間(ANC OFF)、ケース込みで38時間。前モデル(Ear)より大幅に改善されています。10分充電で10時間使えるクイックチャージも魅力です。
◆ Bluetooth 5.4で接続安定性向上
カスタムアンテナを0.35mmまで薄型化し、出力が15%向上、感度が20%アップ。移動中の接続切れが減りました。
デメリット:「ここが致命的」という実際に使うと気になる欠点
◆ Super Micは「ボイスメモ専用機」が正解
Web会議で使うには、ケースを口元に持つという動作が不自然すぎます。9to5Googleのレビュアーが指摘する通り、「カメラアプリで使えない」「Google Meetで品質差が無視できる程度」という現実を考えると、ストリートインタビューやボイスメモ録音という限定的な用途にしか向きません。
Android Centralのレビュアーは「ワイヤードイヤホンのマイク品質がワイヤレスより良いから需要がある」と指摘していますが、それなら有線ラベリアマイク(約3,000円)を買う方が確実です。
◆ イヤホンマイクの「フィットギャンブル性」
Digital Reviews Networkのレビューで「最初はgarbledまたはinaudible」と報告されているように、フィットが完璧でないと通話品質が崩壊します。4サイズ(XS/S/M/L)のイヤーチップから選べますが、毎回同じフィット感を再現できるか?が問題です。
◆ ANCは「普通」レベル
最大45dBのノイズキャンセリングは、Sony WF-1000XM5(50dB)やAirPods Pro 2には及びません。PhoneArenaは「Pixel Buds、AirPods Pro、Sony WF-1000XM5の方が優れている」と断言しています。
カフェのBGMや人の話し声などの中高音域はやや入りやすいという指摘もあります。静かなオフィスなら問題ありませんが、騒がしいコワーキングスペースでは集中力が削がれます。
◆ 音質は「V字型」で賛否両論
低音と高音を強調するV字型チューニングのため、ボーカルなど中域の解像感に物足りなさがあります。AV Watchのレビューでは「低域・高域のパフォーマンスが上がったことで、相対的に中域の解像感・クリアさに物足りなさ」と指摘されています。
Web会議では相手の声の聞き取りやすさが重要なので、中域が弱いのは致命的です。イコライザーで調整すれば改善可能ですが、毎回調整するのは面倒です。
◆ 前モデルからの値上げが痛い
前モデル「Nothing Ear」は18,800円(価格.com最安)でしたが、Ear (3)は25,800円。7,000円の値上げです。SoundGuysのレビューでは「既存のNothingイヤホンユーザーはこのアップグレードをスキップすべき。主にコスメティックとSuper Micに追加料金を払うことになる」と結論づけています。
◆ IP54は前モデルのIP55から格下げ
防塵・防水規格がIP55→IP54に格下げされました。大きな違いではありませんが、ケースの防水性能が下がったのは気になります。
4. 【ガチ比較】競合機との「決定的な差」
Nothing Ear (3) vs 前モデル vs AirPods Pro 2 vs Sony WF-1000XM5
| 項目 | Nothing Ear (3) | Nothing Ear | AirPods Pro 2 | Sony WF-1000XM5 |
|---|---|---|---|---|
| 実売価格 | ¥25,800 | ¥18,800 | ¥39,000-42,000 | ¥23,500-36,300 |
| Super Mic | ○ | × | × | × |
| イヤホンマイク | フィット依存大 | 普通 | 良好(風に弱い) | 環境依存大 |
| ANC | 45dB(普通) | 45dB | 良好 | 最強(50dB) |
| 音質特性 | V字型(中域弱) | バランス型 | フラット | 温かみ |
| LDAC | ○ | ○ | × | ○ |
| バッテリー | 10h/38h | 8.5h/32h | 6h/30h | 8h/24h |
| 防水 | IP54(格下げ) | IP55 | IP54 | IPX4 |
| デザイン | アルミ+透明 | 透明 | 白のみ | 地味 |
| 重量 | 不明 | 4.5g | 5.4g | 5.9g |
通話品質の「本当の」比較
Nothing Ear (3) Super Mic:
- 成功時:「電話のマイクと同等」(GSMArena)
- 失敗時:「Google Meetで品質差なし、むしろ背景音楽を拾う」(9to5Google)
- 実用性:ボイスメモ専用
Nothing Ear (3) イヤホンマイク:
- 成功時:「フィットが完璧なら優秀」(Digital Reviews Network)
- 失敗時:「garbledまたはinaudible」(Digital Reviews Network)
- 実用性:フィットギャンブル
AirPods Pro 2:
- 静かな環境:「良好」
- 背景ノイズ:「過剰補正で音声の一部をミュート」
- 風:「困難」
- 実用性:静かなオフィスなら安定
Sony WF-1000XM5:
- 静かな環境:「最強クラス」
- 騒音環境:「AIの攻撃性が裏目」
- 風:「業界トップクラスの対策」
- 実用性:環境ギャンブル、低音声の男性は要注意
迷ったらどっち?用途別の明確な回答
Nothing Ear (3)を選ぶべき人:
- デザイン重視(透明+アルミの高級感が欲しい)
- ボイスメモ録音が多い(ストリートインタビュー、コンテンツクリエイター)
- 音楽鑑賞メイン(Web会議は週1-2回程度)
- Androidユーザー(LDAC対応)
- バッテリー10時間が必須
前モデル「Nothing Ear」を選ぶべき人:
- コスパ重視(7,000円節約)
- 音質のバランスを重視(V字型より万人受け)
- Web会議の安定性優先(フィットギャンブルを避けたい)
- IP55防水が欲しい
AirPods Pro 2を選ぶべき人:
- iPhoneユーザー(シームレス統合)
- 通話品質の安定性最優先
- Apple製品を複数所有(Mac、iPad)
- 予算に余裕がある(約4万円)
Sony WF-1000XM5を選ぶべき人:
- ANC性能を最優先
- 静かなオフィス・在宅ワークがメイン
- 屋外通話が多い(風切り音対策)
- Androidユーザー(LDAC対応)
5. 関連トピック:これを知っているとさらに捗る
Super Micを「実用化」する裏技
◆ Nothing Phone専用機能を活用
Nothing Phone(3a/3)とペアリングすると、Essential Spaceにボイスメモを自動録音+AI文字起こしができます。これは他のスマホでは使えない独自機能です。さらに、ChatGPTの音声モードをTALKボタンから起動できます。
◆ Blackmagic Camera Appで動画撮影
標準カメラアプリでは使えませんが、Blackmagic Camera(無料)なら外部マイクとしてSuper Micを選択できます。iPhoneでもAndroidでも使えるので、動画コンテンツクリエイターには便利です。
◆ ダブルタップで連続モード
TALKボタンを2回連続でタップすると、Super Micがオンのままロックされます。長時間の録音やインタビューに便利です。もう一度TALKボタンを押すとオフになります。
イヤホンマイクの品質を最大化する設定
◆ Nothing Xアプリの「フィットテスト」を毎回実行
イヤーチップのサイズが合っているか、アプリでフィットテストを実行しましょう。密閉性が低いとVPU(骨伝導センサー)が正常に機能せず、通話品質が劣化します。
◆ イコライザーで中域を強調
デフォルトのV字型チューニングはボーカルが埋もれる傾向があります。Nothing Xアプリの8バンドイコライザーで、1kHz-4kHz(人の声の帯域)を+2dB程度ブーストすると、Web会議での聞き取りやすさが改善します。
◆ 「聴力テスト」でパーソナライズ
Nothing XアプリにはHearID的な聴力テスト機能があります。周波数ごとの聴覚感度をテストし、自分の耳に最適化したEQを自動生成できます。
バッテリーを最大化する裏技
◆ 低レイテンシーモードはオフに
ゲームや動画再生時の遅延を120msに抑える低レイテンシーモードは、バッテリー消費が激しいです。Web会議やビジネス通話では不要なのでオフにしましょう。
◆ LDACは音楽鑑賞時のみ
高音質コーデックLDACは魅力的ですが、バッテリー消費が増える+マルチポイント接続が無効化されるという制約があります。Web会議メインの日はAACに切り替えましょう。
◆ ANCは「手動」に固定
アダプティブANC(環境に応じて自動調整)は便利ですが、600msごとに環境をスキャンするためバッテリーを消費します。静かなオフィスなら手動で固定する方が省エネです。
Nothing Phone以外での使い勝手
◆ iPhoneユーザーの制約
- Super MicはWhatsApp、Zoom、WeChatで使えるが、標準カメラアプリでは使えない
- Siriは使えるが、統合性は低い
- Spatial AudioはApple独自仕様のため非対応
- AAC止まり(LDAC使えず)
◆ Androidユーザーの特権
- LDACで高音質(990kbps)
- Google Fast Pairで即座にペアリング
- Google AssistantまたはAlexaが使える
- 標準カメラアプリでSuper Micが使える(機種による)
◆ Windows PCとの相性
- Bluetooth接続は問題なし
- Super MicはZoom、Teams、Google Meetで使える
- ただし、イヤホン→ケース→PCの二重接続による遅延があるため、リアルタイム性が求められる会議では避けるべき
6. 【最終判定】デザイン重視は本当に失敗するか?
プラス評価できる点(70点)
デザインは文句なし:
- アルミニウム×透明デザインの高級感は25,800円以上の価値
- 音質は前モデルから確実に進化(歪み0.6%→0.2%)
- LDAC対応で音楽鑑賞も妥協なし
- 10時間バッテリーで1日中使える
- Super Micはボイスメモ用途では革新的
マイナス評価せざるを得ない点(-30点)
実用性の微妙さ:
- Super MicはWeb会議に不向き(ケースを口元に持つのが不自然)
- イヤホンマイクのフィット依存性が高すぎる
- ANCは普通レベル(Sony、Appleに劣る)
- V字型チューニングで中域が弱い
- 前モデルから7,000円値上げの価値があるか疑問
- IP54に格下げ
最終スコア:70/100点
結論:デザイン重視で買うのは「アリ」。ただし仕事用としては65点。
こんな人は「買い」:
- デザイン>実用性の価値観
- ボイスメモ録音が多い(ストリートインタビュー、コンテンツクリエイター)
- 静かなオフィス・在宅ワークがメイン
- 音楽鑑賞がメイン、Web会議は補助的
- Nothing Phoneユーザー(Essential Space、ChatGPT統合)
こんな人は「見送り」:
- 通話品質の安定性を最優先
- カフェやコワーキングスペースでの作業が多い(ANC弱い)
- フィット調整が面倒
- 中域の解像度を重視(ボーカルの聞き取りやすさ)
- iPhoneユーザー(Super Micの互換性限定的、LDAC使えず)
代替案の提案:
- コスパ重視:前モデルNothing Ear(¥18,800、音質バランス良い)
- iPhoneユーザー:AirPods Pro 2(¥39,000-42,000、統合性最強)
- ANC重視:Sony WF-1000XM5(¥23,500-36,300、静かな環境なら最強)
- 通話安定性重視:Jabra Elite 10(約30,000円、ビジネス特化)
最終的な判断:Nothing Ear (3)は「デザインの勝利、実用性の妥協」。Super Micは革新的だがWeb会議には不向き。前モデルから7,000円の値上げを正当化できるのは、デザイン重視派とボイスメモクリエイターのみ。普通のビジネスマンなら、前モデル「Nothing Ear」を18,800円で買って7,000円節約し、その分をワイヤレス充電器に投資する方が賢明です。