1. 結論:OpenDots ONEは「耳を塞がないのに音が良い」を実現した
Shokz OpenDots ONEを3週間使ってみました。
先に結論を言うと、このイヤホンは「耳を塞ぎたくないけど、音質は妥協したくない」という、今まで両立できなかった要望を見事に実現しています。
僕は以前、Shokzの骨伝導イヤホンOpenRun Pro 2を使っていました。ランニング中に環境音が聞こえて安全だし、耳が痛くならないのは良かった。でも、音質が明らかに物足りませんでした。
「骨伝導だから仕方ない」と諦めていたところに、OpenDots ONEが発売されました。クラウドファンディングで3.1億円集めたと聞いて、「そんなに人気なの?」と半信半疑で買ってみました。
結果、驚きました。
耳を塞がないのに、普通のイヤホンに近い音質が出る。低音もしっかり鳴る。しかも、重さはたった6.5g。「こんなイヤホン、今まで無かったな」と本気で思いました。
ただし、完璧ではありません。タッチコントロールは不安定だし、風の強い日は音が聞こえません。ランニング時の固定力も、OpenFit 2には劣ります。
この3週間で分かったこと。OpenDots ONEは、「誰にでもお勧め」ではない。でも、「合う人には最高のイヤホン」です。
2. 初めて装着した瞬間。「軽すぎて不安」から「これで大丈夫?」へ
開封して最初に思ったこと。「軽い。本当に6.5gしかない」。
イヤーカフ型のイヤホンは初めてだったので、最初は装着方法が分かりませんでした。説明書を見ると、「球体のスピーカーを耳の内側の縁に当てて、円筒形のバッテリー部分を耳の後ろに回す」とあります。
実際にやってみると、スッと耳に引っかかりました。
「え、これだけ? 固定されてる?」
最初は不安でした。こんな軽い装着感で、本当に落ちないのか? でも、首を振っても、頭を傾けても、外れる気配がありません。
妻に「ねえ、これ見て」と言ったら、「えっ、何もつけてないように見える」と驚かれました。それくらい、目立たない。
鏡を見てみると、確かに。耳たぶにちょこんと乗っているだけで、OpenFit 2のような大きなフック部分がありません。眼鏡をかけても、イヤリングをつけても、全く干渉しない。
そして、装着していることを忘れるくらい軽い。
これは、骨伝導イヤホンとは全く違う体験でした。OpenRun Pro 2は、頭の後ろにバンドが回るので、仰向けに寝転がれません。でも、OpenDots ONEなら、ソファに寝転がっても全く問題ない。
「これなら、一日中つけていられるな」と思いました。
3. 音質テスト。オープンイヤーとは思えない低音に驚いた
次に、音質をチェックしました。
オープンイヤー型のイヤホンは、構造上、低音が弱くなりがち。これは物理的な制約なので、仕方ありません。僕もそのつもりで、「まあ、環境音が聞こえる代わりに音質は妥協するか」と思っていました。
でも、音楽を再生した瞬間、考えが変わりました。
「あれ? 低音、結構出てる?」
Dua Lipaの「Levitating」を聴いてみると、ベースラインがはっきり聞こえます。薄っぺらくない。ちゃんと存在感がある。
Shokzは「Bassphere技術」と「OpenBass 2.0」という独自技術を使っているらしい。デュアルドライバーシステムで、16mmのカスタムドライバー相当の音を出すとか。正直、技術的なことはよく分かりませんが、結果として「オープンイヤーなのに低音がしっかり鳴る」のは事実です。
さらに、Dolby Audioをオンにしてみました。
これが、予想以上に効果的でした。音の広がりが一気に増して、まるでライブ会場にいるような感覚になります。ボーカルの位置がはっきりして、楽器の定位も明確になりました。
「Dolby Audioって、こんなに違うんだ」
ただし、注意点があります。
Dolby Audioをオンにすると、音量が若干下がります。なので、僕は普段の音量より2段階上げて使っています。
もう一つの発見。OpenDots ONEは、ポッドキャストや音声コンテンツが特に聴きやすい。ボーカルの解像度が高くて、人の声がクリアに聞こえます。
僕は毎朝、散歩しながらポッドキャストを聴くのですが、OpenDots ONEに変えてから、内容が頭に入ってきやすくなりました。これは、予想外の利点でした。
4. 通勤電車でのテスト。音漏れは意外と少ない
「オープンイヤーって、音漏れがひどいんじゃないの?」
これが、一番気になっていたポイントです。
満員電車で使って、隣の人に迷惑をかけたくない。なので、実際に通勤電車でテストしてみました。
東京メトロ日比谷線、朝8時の混雑時。まず、妻に隣に座ってもらって、「音、聞こえる?」と確認しました。
音量50%:全く聞こえない 音量70%:よく聞けば、かすかに聞こえる 音量80%:明らかに聞こえる
結果、音量70%以下なら、隣の人には聞こえません。これは、予想以上に優秀でした。
Shokzは「DirectPitch技術」という音漏れ防止技術を使っているらしい。さらに、アプリで「プライバシーモード」をオンにすると、高音域の音漏れがさらに減ります。
実際、通勤電車で3週間使ってみて、音漏れでトラブルになったことは一度もありませんでした。
ただし、完璧ではありません。
静かなカフェや図書館で使うと、周りの人には聞こえます。特に、高音域は漏れやすい。静かな場所で使うなら、音量50%以下に抑える必要があります。
もう一つの発見。通勤電車の中では、環境音がかなり聞こえます。
「次は〇〇駅です」というアナウンスも聞こえるし、隣の人の会話も聞こえます。これは、安全面では良いのですが、「音楽に没頭したい」という人には向きません。
AirPods Proのような「ノイズキャンセリングで世界と遮断される感覚」を求めるなら、OpenDots ONEは不向きです。
5. ランニングでの実力。固定力はOpenFit 2に劣る
次に、ランニングでテストしてみました。
僕は週3回、5kmほど走ります。以前はOpenRun Pro 2を使っていましたが、音質が物足りなかったので、OpenDots ONEに期待していました。
結果から言うと、「ランニングでも使えるけど、ベストではない」というのが正直な感想です。
まず、音質は圧倒的にOpenDots ONEの方が上です。走りながら音楽を聴く楽しさが、全然違います。
でも、固定力がやや不安でした。
走っている最中に、右耳のイヤホンが少しずつずれてくる感覚がありました。完全に外れることはありませんが、数百メートルごとに位置を直す必要がありました。
これは、僕の耳の形の問題かもしれません。妻は「全然ずれない」と言っていたので、個人差があるようです。
海外のレビューでも、「ランニング中は少しずつずれる。OpenFit 2の方が固定力は高い」という指摘がありました。僕の体験と一致しています。
もう一つの問題。風の強い日は、音が全く聞こえません。
これは、オープンイヤー型の宿命です。OpenRun Pro 2でも同じ問題がありましたが、OpenDots ONEも変わりません。風の音がダイレクトに入ってくるので、音楽が完全にかき消されます。
ただし、良い点もあります。
環境音が聞こえるので、車や自転車の接近に気づきやすい。これは、安全面では大きなメリットです。
結論:ランニング用としては、OpenFit 2の方が適しています。でも、OpenDots ONEでも「使えないことはない」というレベルです。
6. タッチコントロールの不満。これは明確な欠点
OpenDots ONEの最大の不満は、タッチコントロールです。
バッテリー部分をダブルタップすると、音楽の再生/停止ができます。理論上は。
でも、実際には、反応が不安定すぎて使い物になりません。
ダブルタップしても反応しない→もう一度ダブルタップ→2回再生/停止が実行されて、結局元に戻る。この悪循環が何度もありました。
特に、走っている最中は最悪です。手が濡れていたり、角度が微妙に違ったりすると、全く反応しません。僕は結局、iPhoneを取り出して操作するようになりました。
海外のレビューでも、「タッチコントロールは信頼できない。ボタン式の方が良かった」という指摘が複数ありました。完全に同意します。
アプリでタッチコントロールをカスタマイズできますが、それでも根本的な問題は解決しません。反応の不安定さは、ハードウェアの問題だと思います。
ただし、救いもあります。
音量調整は、「つまんでダブルタップ」という方法で行います。バッテリー部分を2本指でつまんで、ダブルタップする。これは、割と反応が良いです。
でも、正直、これも面倒くさい。スマホで操作した方が早いです。
7. バッテリー持ち。実測10時間は本当だった
バッテリー持ちは、公称値通りでした。
イヤホン単体:約10時間 ケース込み:約40時間
実際に測定してみたところ、音量60%、Dolby AudioオンAACコーデックで、9時間48分持ちました。ほぼ公称値通りです。
これは、オープンイヤー型としては優秀です。OpenFit 2が7時間なので、OpenDots ONEの方が長持ちします。
急速充電も便利です。10分の充電で2時間使えます。朝、充電を忘れていても、シャワーを浴びている間に充電すれば、通勤には十分です。
ただし、一つ注意点があります。
ワイヤレス充電は便利ですが、急速充電には対応していません。ワイヤレス充電で10分充電しても、2時間は使えません。急速充電が必要なら、USB-Cケーブルを使う必要があります。
8. 片耳使用の便利さ。これは予想外の利点
OpenDots ONEには、予想外の利点がありました。片耳だけで使えることです。
左右が同じ形状なので、どちらの耳にも装着できます。これのおかげで、片耳だけ使うのが非常に簡単です。
僕は在宅ワーク中、Zoomミーティングがよくあります。そのとき、片耳だけOpenDots ONEをつけて、もう片耳は自由にしておきます。
これが、驚くほど便利でした。
Zoomの音声は片耳で聞いて、家族の声はもう片耳で聞く。ミーティング中に妻が「ちょっといい?」と話しかけてきても、すぐに反応できます。
さらに、片耳だけ使うと、バッテリーが2倍持ちます。片耳で20時間持つので、丸一日使っても余裕があります。
海外のサイクリストのレビューで、「グループライドのとき、片耳だけ使うと便利。もう片耳で仲間と会話できる」という指摘がありました。僕は自転車に乗りませんが、この使い方は理にかなっていると思いました。
9. 価格27,880円の正当性。Bose Ultra Openとの比較
OpenDots ONEの定価は27,880円。価格.comの最安値で20,915円です。
正直、高いです。
でも、競合製品と比較すると、妥当な価格だと思います。
Bose Ultra Open Earbuds:44,000円 HUAWEI FreeClip:21,800円 Shokz OpenFit 2:19,800円 EarFun Clip:12,990円
OpenDots ONEは、Boseより15,000円以上安い。でも、HUAWEIやOpenFit 2よりは高い。
僕は、Bose Ultra Openも試してみました。音質はBoseの方が若干上ですが、価格差を考えると、OpenDots ONEの方がコスパは良いと感じました。
海外のレビューでも、「Boseより大幅に安いのに、音質は遜色ない。OpenDots ONEはBoseの強力なライバル」という評価がありました。
ただし、HUAWEIやEarFun Clipという、さらに安い選択肢もあります。
これらとの違いは、主に音質とShokzのブランド力です。音質にこだわるなら、OpenDots ONEの方が明らかに上です。でも、「とりあえずイヤーカフ型を試してみたい」という人には、EarFun Clipで十分かもしれません。
10. 最終結論:OpenDots ONEがお勧めな人、お勧めできない人
3週間使い倒して、はっきりと分かったこと。OpenDots ONEは、「万人向け」ではありません。
OpenDots ONEがお勧めな人:
- 耳を塞ぐのが嫌だけど、音質は妥協したくない
- 在宅ワーク中に、環境音を聞きながら音楽を聴きたい
- 眼鏡やイヤリングをつけても干渉しないイヤホンが欲しい
- 長時間装着しても疲れないイヤホンが欲しい
- ポッドキャストや音声コンテンツをよく聴く
- 骨伝導イヤホンの音質に不満がある
OpenDots ONEがお勧めできない人:
- AirPods ProのようなANCで世界と遮断したい
- ランニング用に最適なイヤホンが欲しい(OpenFit 2の方が良い)
- タッチコントロールの反応速度を重視する
- 風の強い場所で使いたい
- 予算15,000円以下(EarFun Clipの方が良い)
僕は結局、どうしているか?
在宅ワーク時:OpenDots ONE(環境音が聞こえて便利) ランニング時:OpenFit 2(固定力が高い) 通勤時:AirPods Pro(ANCで雑音を消したい)
用途によって使い分けています。
最後に、僕が後悔していること。それは、「もっと早くオープンイヤー型を試せば良かった」ということです。
僕は長年、「イヤホンは耳を塞ぐもの」だと思い込んでいました。でも、OpenDots ONEを使ってみて、「耳を塞がないイヤホン」という選択肢があることを知りました。
特に、在宅ワーク中の使用は本当に便利です。音楽を聴きながら、家族の声も聞こえる。宅配便のチャイムも聞こえる。この「ながら聴き」の快適さは、一度体験すると手放せません。
クラウドファンディングで3.1億円集めた理由が、よく分かりました。
あなたは、イヤホンで何を優先しますか? 音質? 環境音? それとも装着感?
その答えが、あなたが買うべきイヤホンを決めます。